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Lap Siding?いえClapboard Sidingですよ ~ラップ・サイディングスタイルの歴史~

 

ラップサイディング(Lap Siding)は、薄い木の板を水平に重ねて家の壁を覆う古典的な外装材です。
アメリカ植民地時代のニューイングランドにラップサイディングが登場して以来、現代もなおアメリカ建築のシンボルとして受け継がれています。

 

ラップサイディング(Lap Siding)は、下見板(Clapboards)」「ベベルサイディング(Bevel Siding)」など、様々な別名があります。
アメリカでは「下見板(Clapboards)」と呼ばれることが多いです。イギリス、オーストラリア、ニュージーランドでは「Weatherboards」 と呼ばれてもいるようです。


この「下見板(Clapboards)」という言葉は、「割る」を意味する古いオランダ語の「Klappen」に由来しています。
もともとは、手作業で丸太を放射状に割って、「下見板(Clapboards)」はつくられていたからでしょうか?(下図・左側参照)

手作業で割りやすくて採取しやすい樹種(オーク、トネリ、ヒノキ等)が、下見板(Clapboards)の材料に選ばれました。
「下見板(Clapboards)」
は横から見ると、ちょうど「くさび」のような下端が上端よりも厚い形をしています。
下の下見板の上に重なり合うことで、水、雨、湿気が家へ侵入するのを防ぎました。

幅の広い下見板が家の下部に配置され、上部に向かうほど幅の狭い下見板を使用することで、
遠近感をごまかして家を高く見せる視覚効果をもたせた事例もありました。

厳しい気候に最適な選択肢として選ばれてきた下見板サイディングの歴史は、アメリカ製材産業の歴史でもあります。

例えば

1630年代頃

  • 水の力を使って水車で鋸を動かす水力式製材所が登場する

【主な製材所】

  • ヨーク製材所、メイン州(1623 年)
  • ポーツマス製材所、ニューハンプシャー州、(1631年)
  • シチュエート製材所、マサチューセッツ州(1640年)

1830年代頃

  • 産業革命により、水車から蒸気エンジンの木工機械に置き換えられ始める。
  • 水力が利用できない地域でも木材を製造することが可能になる

1980年代頃

  • 損傷しすい木製サイディングに代わって、樹脂(硬質ポリ塩化ビニル:PVCu)や、ファイバーセメントを素材に、安価に軽量で、高性能な下見板が流通するようになる。
  • 本物の木のように見えるデザインが可能
  • はるかに丈夫で損傷に強く、メンテナンスが少なくて済む
  • 風雨に対する耐性が向上
    ※愛家のアメリカンハウスで採用しているラップサイディング材は、ファイバーセメントを素材にしたものです。

 

下見板(Clapboards)の古典的なデザインは変わらず、製造過程、素材そのもの、色柄など現代にあわせたカタチで進化してきました。
長い歴史を経ても根強くアメリカ建築のシンボルであり続けています。